私のための、光

 

気付けば卒業から1週間以上も経っていた。

腸炎でしばらく寝込んでおり、ブログを書くのが遅くなりました。

9月4日にピューパ!!を卒業しました。

加入してから約2年間活動させていただきました。一度は諦めてしまった"アイドル"また自分が出来るとは思ってもいませんでした。

 

幼い頃から度が過ぎた人見知りで、人とコミュニケーションを取るのがすごく苦手でした。

そんな性格から中学生の頃から学校へ行かなくなり、家に引きこもるようになりました。

表舞台に立つことへの密かな憧れはありました。18歳の時にオーディションを受け、少しだけアイドル活動をさせていただいた事があります。

全てが初めての出来事でコミュニケーションを取ることや歌やダンスの難しさ、人前に立つことへの恐怖心などが少なからずあり段々と外へ出るのがまた困難になってしまいました。そして、約3ヶ月ほどで活動を終えてしまいました。

変わりたい、その一心で始めたアイドルでしたが人は簡単には変わることはできない事をその時に感じました。

私にはもう何も出来ないのだろう、この生活がいつまで続くのだろうと日々息苦しさの中にいました。

そんな時に声をかけて頂き加入したピューパ!!

最初はコミュニケーションを取ることも、歌もダンスも全て戸惑いながらの活動でしたがステージに立つにつれ徐々に活動が楽しいと思えるようになりました。何千人といるアイドルの中で、自分を見つけてくれた事。人に応援されるような人生を送ってこなかった自分を、何の取り柄もないと思っていた自分を応援してくれる事。それがすごく不思議で、すごく嬉しかったです。

 

唯一皆と直接話をすることが出来る特典会。

目に見えて人気の格差が分かってしまうチェキは時に苦痛に感じるときもありました。

1人だけ誰も撮ってくれる人がいない時、どんな顔をして立っていればいいのだろう。私は皆の中でちゃんと存在しているのだろうか。特典会中に泣いて逃げた事もありました。チェキに関してはもしかしたらずっと、2年間最後まで不安だったかもしれないです。1人で何枚も何枚もループをしてくれたり、他のメンバー推しでも撮りに来てくれたり、感謝の気持ちしかありません。


卒業が決まったのは今年の6月。

恵比寿LIQUIDROOMでのワンマンライブの3ヶ月程前だったと思います。

自分の中で色々な葛藤があり、悩み苦しみながらの決断でした。自分の事で何度も家族や大切な人達が悲しんでいる、その姿を見る事がとても苦しく耐えられなかったです。そして気付けば自分自身を沢山追い込み苦しませていました。その期間はステージに立つ事も出来なくなったり、グループにも沢山迷惑をかけてしまいました。私がここで活動をする意味や必要性はもうなくなっていました。

辞めざるを得ない状況になってしまった。この言葉がなんだか自分の中で一番しっくりくるような気がします。

こんな終え方で卒業なんて綺麗な言い方で本当に正しいのか、脱退ではないのか、と何度か思いましたがそんなことは今になってはもうどうでもいいことかも。


9月4日

緊張や不安などはなくステージに立つことができました。どのくらいお客さんが来てくれるのか、不安は少しありましたが沢山の方が観に来てくれて嬉しかったです。

この日が来るまで卒業する実感はずっとなくて、正直こんな終わり方は不本意で自分の中で納得いっていない部分が少なからずあって悔しい、出来ることならまだ活動したい、それが心の奥底にある気持ちでした。

でも恵比寿リキッドルームのステージに立ってみて最後まで役目を終えた時、自分はちゃんとやり切った、もう思い残すことはないしこのステージで卒業することができて良かった。という気持ちに変わりました。

自分の最後のステージをこんなに大きな場所で沢山の人に観てもらえたこと、ずっと心配や迷惑をかけてきた家族に観てもらえたこと、もうそこに未練やモヤモヤした気持ちはなくなっていました。

水色のペンライトを振ってくれている人の顔を沢山目に焼き付けました。それは私のための唯一の光でこの世で一番輝いている光に見えました。地下アイドルは決して輝いている世界ではないかもしれないけれど、暗い部屋から私を連れ出してくれたその世界は私にとっての光のような場所でした。

最後に直接お話ができて、沢山お手紙やメッセージも貰って皆の気持ちを沢山知れて嬉しかったです。「一番好きになったアイドル」こんなに嬉しい言葉はないと思います。

水色のお花は儚くてとても綺麗。すぐに枯れてしまう。(ドライフラワーにするために吊るしています)


人間は"忘れる"という能力が一番優れているとどこかで聞きました。私はもう一昨日の晩御飯も思い出せないです。この世にはアイドルが何千人といて、日々卒業したり脱退したり加入したり移り変わっていくもので、そんな世界だから皆は私のことをいつか忘れてしまうと思うしそれが正しいことだとも思います。でも少し寂しい気もします。

"詩芽らみ"というアイドルがここにいたことを皆の胸の中にしまっておいてくれたら嬉しいです。


今後のことは私にもわかりません。また表に立ちたい、という気持ちになったら何かするかもしれないけれど今は願望も予定もありません。沢山美味しいものを食べて遊んで寝ます。


皆が私を応援してくれた、その事実を胸にこの先の長い人生を精一杯生きていきます。


私も皆の人生をとても応援しています。

出会ってくれてありがとう。

ばいばい〜

ピューパ!! 詩芽らみ